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 駆逐艦のリニューアルも睦月型あたりまでくると、主要なクラスは大体一回りしたことになる。残りは神風型や二等駆逐艦などの旧型を残すだけだ。

 睦月型はハセガワとピットロードのキットが有るが、古いハセガワは仕方ないとしても、ピットも色々な問題を抱えていて、きちんとした睦月型を作ろうと思ったら、どちらもほとんどスクラッチになる。そこまで睦月型に入れ込んでいる人もいないと思うが。

 

 さて、ヤマシタホビーの睦月型だ。さすがに2018年の作だけあって、大きな破綻もなく、手を加えずとも立派な睦月型が出来上がる。キットは「長月」の公式図を忠実にトレースしていて、部分的に「三日月」の図を参照した、と見られる箇所がある。故に「長月」固有の特徴もしっかり再現されていて、他艦として作製する際にはこの辺りが工作のポイントになる。

 船体は今回、左右分割方式をとっているが、舷外電路は無い。多分竣工時と共用なのだろう。甲板は別パーツで、ここは設定年次によって差し替えられるのかな。睦月型は性能改善工事前後で、後甲板のレイアウトだけでなく、魚雷運搬軌条も異なっているので、バリエーション展開を考えたら上甲板を別パーツにするのは理にかなったことだ。だが、特型でもそうだったが、船体のぐるりをパーツのフチが取り囲むのはどうにも違和感がある。レイアウトにも無理が生じている。やっぱりスパンウォーターが有って、ボラードなんかが舷側いっぱいに付いている方が好きだなぁ。個人的な意見ですが。このスパンウォーターと舷外電路は、作り込む方にとっては結構面倒な部分になるかもしれない。

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艦首のゲート処理は慎重かつ丁寧に

 艦首には小さい通風筒が別パーツで用意されていて、大変ありがたいことなのだけど、これらは常時在るものではなく、写真を見ても立っているケースがほとんど無いので、無理に付ける必要はない。ストーブ用煙突なんかと同じだ。お手元の写真を見ながら判断していただきたい。このパーツは他艦にも流用できるので、例えばハセガワの朝潮型なんかを積んでいる方は、このキットを購入しておくと色々と役に立つだろう。

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キットはこの部分のブルワー クが足りない。機銃は大きすぎ。

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どちらかに救命浮標が付くことがある。付く場所によって大きさが異なる。

 艦橋は長月というよりは三日月を参考にしたのかな?上部艦橋や下部艦橋は三日月に近い。それはともかく羅針艦橋後方のブルワークが少し足りないので、足してやりたい。この修正はそれほど難しくないので、できるだけ手を加えることをお勧めする。なぜかと言うと、この部分は救命浮標が付くことがある場所なんだね(三日月は例外)。白と赤の浮標はいいアクセントになるので、修正ついでに浮標も付けるといいだろう。

 艦橋左右の機銃はどういうわけか25ミリ?機銃になっていて、形状といい大きさといい、ちょっと許容の外にある。ここはキットのパーツは無視して、正しい大きさの7.7ミリ機銃を用意してやりたい。だけど、7.7ミリは良いパーツが無いんだな。ツライけど自作か。ちなみにこの部分の甲板は滑り止め鋼板だ。

 また、各階層の支柱とラッタルが省略されているので、写真などを参考に追加してやりたい。

 1番煙突の縦のモールドはスチームサイレンだと思うが、この取り回しは各艦異なるので、差別化を図りたい人は要チェックだ。この配管は改善工事前後であまり変化が無いようだ。

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​につづく

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